クレジットカード現金化と自己破産の関係とは?

お金は借りたら返すもの、それは古今東西変わりませんが、消費者金融、銀行、はたまた家族、親類、友達、知人、誰に借りるとしても必ず返す必要があります。

しかし、お金を借りても返すお金がなかったら返せませんし、その後においても支払い能力がないという状況に陥ってしまうこともあります。

そんな時は自己破産や借金の免責という制度を使って借金をなくすことができます。

さて、去年2016年、個人の自己破産の申請が13年ぶりに増加したことが、2月10日に最高裁が発表した統計の速報値で明らかになりました。

個人の自己破産の申請は、バブルが弾けた後の1990年代後半あたりに増え、2003年に一旦ピークを迎えた後に、次の年から2015年までの12年間は減少を続けてきました。

2000年代まではいわゆる消費者金融のグレーゾーン金利が存在し、借金で借金を返す多重債務者が増えた為に自己破産の件数も増え続けました。

これが社会的に問題視され始めると2006年には総量規制などを盛り込んだ貸金業法が成立、消費者金融などの規制強化につながり、上限利息を超えるグレーゾーン金利の過払い金請求が増加、自己破産の件数も減少を続けていたのです。

上記の理由から、ノンバンクと呼ばれる、銀行以外の金融機関の個人向け無担保貸付残高は2005年の17兆6399億円から2015年の4兆4438億円まで減少しました。

では、ノンバンクの貸付が減少しているのに、なぜ自己破産の申請件数が増えたのでしょうか。

それは、クレジットカード現金化が関係しているかもしれないのです。

では、クレジットカード現金化と自己破産にはどんな関係があるのでしょうか?

クレジットカード現金化、銀行カードローンの台頭

  • 銀行カードローンの拡大

    消費者金融のグレーゾーン金利や過剰な貸付が問題視され、2006年に貸金業法が改正されました。

    その改正された貸金業法の内容には、過剰な貸付を抑制する『総量規制』という制度が新たに盛り込まれました。

    総量規制は、消費者金融などの金融機関が個人に貸付をする総額が、利用者の年収の3分の1を超えてはならないという内容です。

    総量規制の施行は2010年6月から始まりました。これにより消費者金融の貸付は制限され、貸付残高も減少を続けていきました。

    その逆に、総量規制が始まってから拡大したものがありますが、それが銀行のカードローンです。

    過剰な貸付を抑制する為の総量規制ですが、その規制対象は消費者金融、クレジット会社、信販会社などのノンバンクとよばれる金融機関の貸付が対象になります。

    しかし、政治的な圧力も関係したのか、銀行の貸付は総量規制の対象にはならなかったのです

    ノンバンクの総量規制を設けられた借り手側は、制限のない銀行カードローン利用することになります。

    その結果、2011年から銀行カードローンの利用者が急速に拡大していきました。

    この銀行カードローンは消費者金融の貸付同様無担保での貸付になりますが、つまり、単に消費者金融の貸付から銀行の貸付に代わっただけということになります。

    この銀行カードローンの拡大によって、13年ぶりに自己破産の申請件数が増えたと考えられるのです。

  • クレジットカード現金化の拡大

    また、総量規制の関係で銀行カードローンと同じように拡大したのがクレジットカード現金化です。

    クレジットカード現金化はショッピング枠を利用して現金を手に入れるサービスですが、このショッピング枠の利用は貸金業法の総量規制の対象にはならなかったために、総量規制をかいくぐる金策の1つとしてサービスを提供するクレジットカード現金化業者が増えていきました。

    クレジットカードのショッピング枠があれば審査もなく利用でき、ネット上の無店舗型の業者を使えばネットですべて完結するという利便性も相まって利用者が増加していきました。

では、クレジットカード現金化も自己破産申請件数の増加に関係があるのでしょうか。

クレジットカード現金化のせいで自己破産申請件数が増えた?

13年ぶりに自己破産の申請件数が増えたということですが、クレジットカード現金化とは関係がありません。

なぜかというと、クレジットカード現金化は自己破産の免責不許可事由に該当する行為だからです。

免責不許可事由とは、債務の内容が債権者の不利益になる事由のことを指します。

クレジットカード現金化はクレジットカード会社との規約に違反する行為であり、クレジットカード会社に不利益を被らせる可能性が高いという判断により免責不許可自由に該当するのです。

つまり、クレジットカード現金化をした人は自己破産申請しても、ショッピング枠の支払いが免責されることはないかもしれないということです。

銀行カードローン、クレジットカード現金化共に総量規制には該当しないという抜け道があるといった認識で利用する人もいるかと思いますが、利用を間違えると自己破産、または自己破産もできない状況になってしまいます。

自己破産をしてしまうと信用情報会社に自己破産の情報が記載され、その情報が消えるまで最低でも10年はかかることになり、新たに借入を行ったり、クレジットカードを作ったりすることができなくなってしまいます。

現在銀行カードローンの審査は昔に比べれば簡単になってはいます。『滅びに至る門は大きくその路は広く、これより入る者多し』とも言います。

クレジットカード現金化を利用する場合は、くれぐれも計画性を持って利用しましょう。


クレジットカード現金化について調べていると、『クレジットカード現金化をすると自己破産できない』と見聞きするかもしれませんが、正確にいうと、『クレジットカード現金化をしても自己破産はできるが、債務が免責されない可能性がある』といった方がいいでしょう。

そもそも、自己破産は申請しただけで借金などの債務がなくなるわけではなく、債務の支払い能力がないのか、また、債務の内容や理由などを審査した上で初めて、債務の免責許可が下りるのです。

クレジットカード現金化は免責不許可事由に該当することですが、つまり債務の免責許可が下りない債務になってしまうのです。

免責許可が出るかどうかの審査は裁判所が行い、たとえ免責不許可事由に該当する行為をしても裁量免責という形で免責許可が出る場合がありますが、債務の内容が悪質であるとみなされれば裁量免責すら許可がでないことになってしまうのです。

自己破産を考えている人ならば、まず弁護士に相談、ということになりますが、クレジットカード現金化をして自己破産、ということになると、まず弁護士側で自己破産しないほうがいいかもしれないという判断をする可能性があります。

ましてや、クレジットカード現金化していたことを隠して自己破産しようとしても、結局債務の内容に不審な点があれば徹底して調べられることがあり、隠していた時点で悪質とみなされてしまいます。

クレジットカード現金化を利用したのちに自己破産をして免責許可が下りるかどうかはもはや博打に近いものがありますが、そもそも自己破産に陥るまでクレジットカード現金化を利用すること自体が間違っています。

2017/04/19

page top